本棚の宝物

読書感想が中心です。あとは、日々のちょっとしたことと 手作りした作品などなど。

夏川草介

「神様のカルテ2」 夏川草介




新年度、本庄病院の内科病棟に新任の医師・進藤辰也が東京の病院から着任してきた。

彼は一止、そして外科の砂山次郎と信濃大学の同窓であった。

かつて“医学部の良心"と呼ばれた進藤の加入を喜ぶ一止に対し、砂山は微妙な反応をする。

赴任直後の期待とは裏腹に、進藤の医師としての行動は、かつてのその姿からは想像もできないものだった。

そんななか、本庄病院に激震が走る


あけましておめでとうございます
昨年はカウントダウンライヴも行けず・・・
お正月は家でまったり読書してました。。。
今年もよろしくお願いします


では、新年1冊目

最近、テレビドラマ は今や医療モノか刑事モノしかヒットしずらいのだとか。
そこには、人間の究極のドラマがあるからかしら?
でも、そればっかりだと食傷気味。
ホームドラマも恋愛ドラマ(あんまり見ないけど)あっていいはず。

前作の「神様のカルテ」の時も思ったけど、これはあんまり医療モノって感じがしない。

もちろん舞台は病院だし、主人公は医者なんだけど
聞きなれない難しい病名も出てこいないし、医療現場もなじみのある場面ばかり。

無理難題を押し付けてくる患者もいなければ、無能な医者もいない(そんな小説読みたくないけどね)

信州の自然の描写も美しく、登場するのはすてきな人ばかり

全体として悪くないし、いいお話なんだけど、
今回は、あまりにも素晴らしい夫婦愛に満ちすぎていて・・やや

いつも笑顔で寄り添う夫婦は理想だけどさ。。。
長く連れ添うと日々の生活の中でも感謝の気持ちばかりが思い出されるのかしら。
最期はそうあって欲しいけどね

小さな子を抱えて医師としてのありかたに苦悩する進藤先生夫婦のエピソードが一番心に残ったわ。
死の悲しみよりも生きていく苦しさが印象的だった  


でも、そうは言っても死はさけられないもの。
医者がどんなに手をつくしても人間は200歳までは生きられない。
だからいかに死ぬかも考えなければならない・・・主人公に向けられた老医師の言葉。

大切な人との別れは悲しいけれど、いつかはくる現実ね

逆説的だけど、前にテレビで誰かが
「人間はみんな死亡率100%じゃない」と言っていた。
なんだか、そうだよねー そう悲観してても仕方ないか~と、気持ちが楽になったのを思い出したわ


「神様のカルテ」 夏川草介




栗原一止は信州の小さな病院で働く、悲しむことが苦手な内科医である。
ここでは常に医師が不足している。

専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を三日取れないことも日常茶飯事だ。

そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。
大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。
最先端の医療を学ぶこともできる。


だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。

悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。

第十回小学館文庫小説賞受賞作



医療モノにありがちな命の重さを押し付けてくるような感じもないし、
超人的な天才医師が活躍するようなお話でもない。
衝撃的な医療現場の告発めいたこともない。


だけど、なんだかすんなりと入り込めるいい作品でした^^

主人公の内科医が夏目漱石マニアなために古風な語り口なんだけど、
それが病院を舞台にした「坊ちゃん」を読んでるようなのどかさ。

主人公の苦悩もリアルに感じられる。



でもさ。思うんだけど・・・地方で医師が不足しているのは
絶対的な数の不足だけなの?
待遇は関係ないの?
経営が前に出すぎて、医者に無理させているんじゃないのかなぁ・・・。


医科と歯科の差はあれど・・大学病院で学んだことと、現在聞こえてくる状況のあまりの違いにカルチャーショックな日々ですが・・・(笑)
わたしには納得いかない現実が正しいとは、まだまだ思えないけどね。


本当のこと言い過ぎると、患者さんを不安にさせることもあるだろうから、
そういう意味ではこの小説はいいさじ加減なのかも。


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プロフィール

樹里

本が大好き。図書館ヘビーユーザーです。
編み物やビーズで手間のかかるモノを作るのも好き。
ラルクアンシエルらぶ。

好きなテレビ番組は「ブラタモリ」タモリが持ってた江戸の古地図ハンカチが欲しい!

好きなアニメは「東京リベンジャーズ」と「呪術廻戦」関東事変も渋谷事変も終わってしまって寂しい。早く続きが見たい^^


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