バンギャル[BANGAL]: ヴィジュアル系バンドが好きな女の子                   生活の何よりも好きなバンドを優先させる人種


と、最初に書いてある。ふーーん、ただのバンド好きじゃなくて
ヴジュアル系限定の言葉だったのね~知らなかった。常識ですか(汗)?


そして、20歳すぎの年とったバンギャは「オバンギャ」と呼ばれ、
オバンギャじゃすまされなくなると、「ババンギャ」


ほー(゜ε゜)ぷっ


90年代のバンギャル14歳から18歳までの少女の熱い物語。
ガールズノベルなんてあっさりしたものじゃなく、
分厚い上下巻の濃密な作品。


特別な何かになりたくて、でも自分には何もない。


誰もが、苦悩するテーマではあると思う。
だけど、それがバンドの 「単なるファンってだけで終わりたくない」 ってことだけに自己の存在理由を求めるところが切ない(゜ーÅ)ホロリ


ライヴに行って、おっかけをしているうちに意外と簡単にバンドマンと遊ぶチャンスがある(らしい)。
部屋に呼ばれ、名前さえ訊かれないままの一夜の関係だとしても。
だけど、簡単に訪れるチャンスだから、同じような女の子はたくさんいるわけで・・・

ライヴハウスで、この中に私達みたいな女が何人いるんだろう?なんて優越感と自虐のはざまで揺れる。

ん。でも、いい大人でもステージの上の人と特別な関係を夢見たりする人いるんだから
少女が嵌るのムリない気もするけど(゜ーÅ)ホロリ


PTAのおばさんみたいでイヤだけど、
20歳すぎたバンドマンが平気で中高生の女子にたかるのに嫌悪感感じたわ落ち込み

打ち上げと称して、会費巻き上げて自分たちだけ酒飲んだりするのは当時の常識だったの?
普通お小遣い程度しか収入のない女の子からチケット代だけじゃなく
生活のあらゆるおねだりをしてたら、どんなところから調達されてくるのかわかりそうなものなのに。


音楽で生きる希望をもらったから、なんでもしてあげたいという健気な気持ち。
夢を実現するためにバンドにかけてるんだから、何をしても許されるという驕り?

ヴィジュアル系という新しいシーンに立ち会っている興奮はわかるけど、
お金のために学校をやめて、キャバクラ、風俗と堕ちていくさまは、
極道やホストに嵌る昔ながらの女の悲しさで、ちっとも新しくなんかない(゜ーÅ)ホロリ

水商売で稼いで、着飾ったりツアーおっかけたり、自分のために使うならまだいいよ?
自分はみすぼらしい服装なのに、バンドマンにおしゃれさせて、贅沢させるためだなんて(T▽T)

そこまでして尽くして、メジャーになったら女優やモデルに持ってかれちゃやっぱり納得いかないと思うんだけど(T▽T)
なんか、この子達ホント自虐のかたまりとしか思えない(T▽T)


だけど、著者が学校でのイジメ体験からバンギャルに嵌った経験を地でいった人らしく
読ませる筆力はすばらしい。


夢中になるジャンルは様々あれど、
同じ所に居場所をみつけた友達との絆や
帰らなくちゃいけないのに、帰れない夜とか、
正しいとわかっている大人の言い分にうなずけないやりきれなさとか
いろんなものが甦る。

みんな真剣なんだけど、ちょっと笑えるエピソードもあるし笑顔

実在のバンドの物語も名前を変えてはあるけど、時代性を語るのに重要な要素になっている。

まぁ、物語としてはおもしろかった。
だけど、この本にわたしの愛するラルクの名前は見たくなかったなぁ・・・
でも、時代を語るときにはずせないピースになっているってことでしょうか 本