本棚の宝物

読書感想が中心です。あとは、日々のちょっとしたことと 手作りした作品などなど。

万城目学

「悟浄出立」 万城目学




俺はもう、誰かの脇役ではない深化したマキメワールド、開幕!

砂漠の中、悟浄は隊列の一番後ろを歩いていた。

どうして俺はいつも、他の奴らの活躍を横目で見ているだけなんだ?

でもある出来事をきっかけに、彼の心がほんの少し動き始める――。

西遊記の沙悟浄、三国志の趙雲、司馬遷に見向きもされないその娘。

中国の古典に現れる脇役たちに焦点を当て、

人生の見方まで変えてしまう連作集。



タイトルから万城目学が描く西遊記なんだと思ってしまいました・・・
最初の一篇が表題の「悟浄出立」だけど、残りの四篇は西遊記関係なしでした。

わたし、一番苦手なジャンルが漢文で、三国志はどうも・・・

なので、沙悟浄以外の登場人物にほとんど興味湧かず。。。。
教養不足なもので、あまり楽しめなかったです


沙悟浄がカッパの風貌なのは日本でだけで、
本場の中国では違うと何かで聞いたことあり。

万城目学はどう描くのか?

「水気を感じやすい」とはあったけど、ルックスに関しては描写なしでした。
三蔵法師一行のシルエットを思い描くと、やっぱりカッパの方がしっくりきますね

「偉大なる、しゅららぼん」 万城目学



琵琶湖畔の街・石走に住み続ける日出家と棗家には、代々受け継がれてきた「力」があった。

高校に入学した日出涼介、日出淡十郎、棗広海が偶然同じクラスになった時、

力で力を洗う戦いの幕が上がった!


鹿男の奈良、ホルモーの京都、プリンセストヨトミの大阪・・・ときて、滋賀のしゅららぼんです
なじみの少ない近畿エリアが舞台の連作ですが、
土地がらみの歴史にまつわるファンタジーは今回も楽しめました。

今までで一番ゆったりした展開ですが・・・土地柄?(笑)
でもラスト近くの琵琶湖のシーンはなかなかスペクタクル
湖って、何か神秘的な力ありそう 

涼介が高校の吹奏楽部に入部するきっかけになった
「とある有名なアニメ映画で主人公が朝もやに覆われた町に向け、
 飼ってる鳩を放ち、屋根に登ってトランペットを吹くシーン」

それ、なんだっけなぁ~見た記憶があるのに・・・・曲が思いだせない・・・
と、気になっていたら、曲名がわかった!「ハトと少年」です♪
ラピュタでバズーがトランペット吹いてましたね。すっきり

そして、本編や超能力とは関係ないけど、
滋賀県内の小学5年生は「フローティングスクール」という
臨海学校の琵琶湖版を経験する・・・っていうエピソードもなぜか印象的でした(笑)


「ホルモー六景」 万城目 学 

このごろ都にはやるもの、恋文、凡ちゃん、二人静。

四神見える学舎の、威信を賭けます若人ら、負けて雄叫びなるものかと、

今日も京にて狂になり、励むは御存知、是れ「ホルモー」。


2006年刊「鴨川ホルモー」の続編
本


鴨川ホルモーを読んでいないと成り立たない1冊。


本編でさりげなく語られていた出来事が、
敵や味方を巻き込んだ事件が背景にあったりして、
スピンオフ作品集として、十分楽しめます 笑顔


京都の長い長い歴史を考えれば、
学生の心情なんて、80年前とそれほど変わらないのかなぁー
なんて、思える作品も。



見えざるものによってある場所へ導かれ、
仕向けられるかのようにことに臨む彼ら。


そんな不可思議な「何か」があってもいいなと思ってしまいました 笑顔


「鴨川ホルモー」 万城目 学

謎のサークル京大青竜会に入った安倍を待ち構えていた「ホルモー」とは? 

恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。

京都の街に巻き起こる、疾風怒濤の狂乱絵巻
本


ふたたびの入院。
今度は軽く読めて、元気になりそうな作品を入院の友にしました 笑顔


プリンセストヨトミは、いまいちしっくりこなかったけど、
これは、おもしろかったです! 笑い


京都っていう古くからなにやら潜んでいそうな舞台も
ミステリアスでいい感じ。
そこで繰り広げられる戦いは、よく考えればおどろおどろしいのに
ユーモラスなスポーツの様相なのもおかしい 笑顔
呪い?もなんだかまぬけな罰だし(゜ε゜)ぷっ


また、オニを操る陰陽師のごとき学生が
普通に青春してるのも微笑ましくてさわやか。


京都にはしばらく行ってないなぁー
また、行ってみたいです。

「プリンセス・トヨトミ」 万城目 学

このことは誰も知らない。五月末日の木曜日、午後四時のことである。


「大阪が全停止した。」


長く閉ざされた扉を開ける“鍵”となったのは、

東京から来た会計検査院の三人の調査官と、

大阪の商店街に生まれ育った二人の少年少女だった―。


前代未聞、驚天動地のエンターテインメント、始動
本



ドラマで見た「鹿男あをによし 」がとてもおもしろかったので、
ユニークな発想の作家さんの印象が強く残った。
それで、この作品を手に取ったんだけど・・・

ちょっと、期待はずれだったかなぁ。。。落ち込み


物語の途中まで、あまりに突飛な「大阪国」の設定を
無理矢理こじつけようとしているかのようで、
どうも、テンポが悪いの。


物語になかなか引き込まれず、
なんとも中途半端な気持ちで読み進めていくと、
「事件」が動き出してからは、ぐんぐん引き込まれます 笑顔

おもしろい!想像すると思わず笑っちゃうおもしろさ!
前半部分のテンポがもっとよければ、かなり傑作だと思います^^


現実でも、カーネルサンダース像にまつわる盛り上がりなんかをニュースで見るかぎり、
独自の国と秘密を持っている「国民」だとしても不思議じゃないような(笑)


誰の特になるわけでもないのに、気持ちをひとつにすることで
国家権力にさえ立ち向かえる・・・
気分爽快なメルヘン 笑い


奈良、京都、大阪の3都市物語の、京都も今度読んでみようかな^^




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プロフィール

樹里

本が大好き。図書館ヘビーユーザーです。
編み物やビーズで手間のかかるモノを作るのも好き。
ラルクアンシエルらぶ。

好きなテレビ番組は「ブラタモリ」タモリが持ってた江戸の古地図ハンカチが欲しい!

好きなアニメは「東京リベンジャーズ」と「呪術廻戦」関東事変も渋谷事変も終わってしまって寂しい。早く続きが見たい^^


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