本棚の宝物

読書感想が中心です。あとは、日々のちょっとしたことと 手作りした作品などなど。

山内マリコ

「選んだ孤独はよい孤独」 山内マリコ



地元から出ないアラサー、女子が怖い高校生、仕事が出来ないあの先輩…

誰もが逃れられない「生きづらさ」に寄り添う、人生の切なさとおかしみと共感に満ちた19編。

情けなくも愛すべき男たちの「孤独」でつながる物語


それぞれ立場や年齢も違うけど、どっぷりまたはそこはかとなく孤独な人たち。

たまらなく居心地が悪いのに、幼馴染のグループといつもいつもつるんで遊んでいる
ー男子は街から出ないー

恋人と暮らし始めて、なぜ彼女が不機嫌に怒ってばかりいるのか全く理解できなかった
ーあるカップルの別れの理由ー

この2編はなにやってんだか・・・さっさと見切りをつけて、新しい生活を始めればいいのにと、もどかしくも気の毒


―ぼくは仕事ができないー
たとえ能力がなくとも働かなきゃならない男の身の処し方に感心しちゃいました 。
見栄えと言動でなんとかなってしまうなんて、技術力必須の仕事じゃないからできる処世術 ね


「おれが逃がしてやる」もおもしろかった
その後の人生が上手くいかなかったら、あの時サラリーマンのバトンを嫌々でも渡された方がよかった・・・なんて悔やんだかもね
そうならなくてよかった!これは、この中では珍しい成功体験のお話


良妻が愛されるとは限らない
ー愛とは支配することーも印象に残りました


さらさら読める短編集です

「あのこは貴族」 山内マリコ



東京生まれの華子は、箱入り娘として何不自由なく育てられたが、20代後半で恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされてしまう。

名門女子校の同級生が次々に結婚するなか、焦ってお見合いを重ねた末に、ハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。

一方、東京で働く美紀は地方生まれの上京組。猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退し、一時は夜の世界も経験した。

32歳で恋人ナシ、腐れ縁の「幸一郎」とのダラダラした関係に悩み中。

境遇が全く違って出会うはずのなかったふたりの女。

同じ男をきっかけに彼女たちが巡り合うとき、それぞれ思いもよらない世界が拓けて――。

結婚をめぐる女たちの葛藤と解放を描く、渾身の長編小説


おもしろかった

お嬢様たちの閉鎖的な世界は、国公立育ちのわたしには想像外だけど、
いくらなんでもせっかく紹介された男性が関西弁喋ったからって
華子お嬢様、タクシーで逃げ帰るのは極端では?(笑)

ま、この男性、関西弁ってだけじゃなくデリカシー足りなさそうだけど。

このお嬢様の「外の世界」でいきている人間にとってはかけはなれすぎて楽しめました

もう一人の地方出身でガッツのある美紀もまたわたしの周りにはいないタイプ。

がんばってるのになかなか思い通りにいかないのはどんな環境にあっても同じなのね。

ふたりの女性を繋ぐ家柄とルックスのいい弁護士がどうにもよくわからない。
自分勝手でもそれにまったく気が付いていない。
特別扱いも当たり前すぎるとそれに気が付きもしないものなのね。

こんな人が政治家を目指していくもんなんだろうか。
この人はもっとひどい目に合えばいいのにと思っちゃいました

機会あったら他の作品も読んでみたいです


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プロフィール

樹里

本が大好き。図書館ヘビーユーザーです。
編み物やビーズで手間のかかるモノを作るのも好き。
ラルクアンシエルらぶ。

好きなテレビ番組は「ブラタモリ」タモリが持ってた江戸の古地図ハンカチが欲しい!

好きなアニメは「東京リベンジャーズ」と「呪術廻戦」関東事変も渋谷事変も終わってしまって寂しい。早く続きが見たい^^


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