友達もいない、恋人もいない、将来の希望なんてもっとない。
貧困にあえぐ苦学生の真央が出会ったのは、かつて栄華を誇った山戸家の生き残り・四葉。
「ちゃんとした人にはたった一回の失敗も許されないなんて、そんなのおかしい」
彼女に託された一つの宝石箱が、真央の人生を変えていく。
過去から近未来までの女性たちの物語。
おもしろかったけど・・・もの悲しくてちょっと苦い
真央は頑張り屋の苦学生。彼女のぎりぎりの生き方が苦しい。
でも、そんなに奨学金の返済がたいへんなら、なぜ国立大学目指さなかったんだろう・・・とか、
最初に提示されたような将来を再設計できるほどの金額ではなかったとしても
四葉さんから渡された宝石が100万円を超える金額になったのなら、もっと感謝するべきじゃない?
とか、もやもやしてしまって
憎めないキャラではあるけど、自分の好きに生きてるだけの実亜子も共感もてず
四葉さんは妖精なんじゃないかと思うくらい実在感ないし
でも、誰にも感情移入はできないながらも
山戸家の戦後からの物語もおとぎ話のようで引き付けられる。
コロナ禍を乗り切ったかと思えば、日本はどんどん貧しくさらに生き辛いさが加速していく
悲惨な未来の展望に暗澹とした気持ちに
なのに、なのにこの素敵な装丁。予想を覆す中身にびっくりのお話でした。
溺れる寸前に差し出される一筋の藁。差し出す方もぎりぎりの状態。
これがシスターフッドの現在地なのでしょうか。。。
四葉さんと同じで「幸福な王子」のお話はわたしも子供の頃から好きじゃなかった。
語られていないけど、彼女は王子よりも賢いやり方で幸せな人生を歩んでいたと思いたい