恋のライバルは、白鳥だった!?
結婚と家族と、真実の愛をめぐる劇的で、ちょっぴり不思議な6つの短編集。
(吉川英治文学賞 受賞第一作)
「家猫」
バツイチの息子が猫を飼い始めたらしい。でも、家に行っても一向にその猫は姿を現す様子もなくーー。
「ローゼンブルクで恋をして」
父が終活のために向かった先は、小柄ながらも逞しい女性候補者が構える瀬戸内のとある選挙事務所だった。
「ガリップ」
わたしたちは、どこまでわかり合えていたんだろう。男と女とコハクチョウとの、三十年にわたる三角関係の顛末。
「オリーブの実るころ」
斜向かいに越してきた老人には、品のいい佇まいからは想像もできない、愛した人を巡る壮絶な過去があった。
「川端康成が死んだ日」
母が失踪して四十四年。すでに当時の母の年齢を超えてしまった私に、母から最後の願いが届く。
「春成と冴子とファンさん」
宙生とハツは、結婚報告のために離婚した宙生の両親を訪ねることになった。二人は思い思いの生活をしていて。
どれも一捻りあって、おもしろかった
人生は紆余曲折。見る位置を変えると物語もまったく変わってしまう。
ほのぼのだけでは絶対終わらない著者らしい短編集でした
当分はオストハウプトシュタットから出る予定はないけど
わたしの人生にもまだまだ思いがけない変化が待っているのかも