吉田修一の新境地ともいえる本書は、誰かのために生きる時代を模索する今だからこそ蘇る、二十一世紀版山椒太夫。

古典の名作『山椒太夫』をベースに、上古も今も末代も、慈悲の心の尊さとはいかに、を現代に問う問題作だ。

あの安寿と厨子王が千年の時空を超えて繰り広げる、善の執着と悪の執着を描く大冒険は、文字を追うごとに、思わず声に出して読みたくなる圧巻の言葉とリズムにあふれている


可哀そうな物語の代表みたいなお話が、冒険ものに??
ヒグチユウコさんの絵も魅力的でどんな世界かとわくわく

ですが、

えーっと・・・正直に言うと奇想天外すぎて・・・ちょっと入り込めず


獅子に乗って現代を翔ける頭獅王が三越前にさしかかったときに
これがライオン像になるって展開だったらどうしよう・・・と思ったけど、それはなくてよかった

大きな字でさらさら読める。リズム感は確かにあるけど、わたしには響きませんでした