人が生きてきた時間を封じ込める―それが、肖像彫刻。

芸術の道を諦め、八ヶ岳山麓で銅像職人として再出発した正道。

しかし彼の作品には、文字通り魂が宿ってしまうのだった。

亡き両親、高名な学者、最愛の恋人…周囲の思惑そっちのけで、銅像たちが語り始めたホンネとは。

欲望に忠実な人々の姿になぜか勇気がわいてくる、人生100年時代の極上人生ドラマ!


生活力はないけど、素直で生真面目な肖像彫刻家。
彼が真摯に作品に取り組むと不思議なことが起こる

イタリアでの工房で修業した確かな技術力と哲学。
でも彼の作品がある風景は、レオニダスとニケが田んぼに毅然と立っている姿など可笑しみのあるものばかり

現実的で生活力に溢れた姉から見たらもどかしくてたまらなそう。
介護の苦労も知らず親に愛された思い出だけの弟は腹立たしい。損な役回りだ。

姉の依頼で両親の像を作る「高砂」は身につまされる。

魂が宿ってしまう彼の作品。綺麗ごとだけではすまない、隠していた真実が露見してしまう

お寺がらみの生臭い裏がある「雪姫座像」はちょっと住職が怖すぎ



複雑な工程のため高額なブロンズ像。なかなか注文はこない。
3Dプリンターの功罪はここにも。。。

肝心な作品の注文はほとんど無くても田舎暮らしで食べるには困らない生活。
頼まれれば気安くお手伝いも厭わないので、高齢の大家夫妻とも良好な関係。

70歳過ぎても再雇用やパートで働くお年寄りは頼もしい。
さらにもっと高齢者から「若い人たち」として非難されてるあたり、人生は長いね