窃盗の疑いを掛けられた青年が老女優フェリングとともに姿を消した。

探偵ヴィクは、その行方を追ってフェリングの故郷であるカンザス州ダグラス郡に赴く。

過去に核ミサイル配備に対する抗議運動がおこなわれたこの地で、フェリングたちは何かを撮影してまわっていたらしい。

調査を進めていたヴィクは、ミサイルサイロ近くの農家で腐乱死体を発見し…。

シリーズ最大級の陰謀に果たしてヴィクは打ち勝つ事が出来るのか?


大好きな V・I・ウォーショースキーシリーズの新作

シカゴから姿を消した二人を探すためにはるばるカンザスまで行かなくてはならなくなったヴィク。
彼らは自ら姿を隠し、誰かに匿われているのか?、それとも何者かに連れ去られたのか?
どんな事情か事件か、まったくの手探り状態からどうやら1983年の冷戦の名残、核ミサイル反対デモと何やら関係があるらしいことがわかってくる。

馴染みのない土地、閉鎖的な人々。
よそ者に事情を話したくないだけなのか、みんなで何かを隠しているのか?

真相を知られまいと殺人も厭わない者が裏にいることだけは確か

誰もが敵か味方かわからない中、この捜査の旅に同行したハスキー犬のペピーだけが心を和ませる

そんなめんどくさい事件ほっぽりだして、あとは警察にまかせてシカゴに帰っちゃえば?と思うけど
警察も保安官も信じられない。

行方不明の青年がアフリカ系だけに、いきなり保安官に射殺されすべての責任を押し付けられる可能性もあるらしい・・・

老女優エメラルドの少女時代にあった人種差別は、オバマが大統領になった以降の現代でも残っている。

いろんな事情が絡み合って、陸軍大佐、細菌学の大学教授、謎の企業の開発部長と胡散臭い人物が絡んできて・・・
誰が一番の黒幕で、悪人なのか?
こんな陰謀の沼地のような場所から真相を突き止め、ヴィクは無事に脱出できるのか??


ラストのサバイバルシーンのタフなヴィクはさすが

でも、ストーリー全般にもどかしさが先に立ってしまって、
爽快な感じはちょっとものたりなかったかなぁ。。。

50代になっても恋愛に悩むのもタフな感じがしていいな

あと、文庫のみなのは仕方ないとしても、この表紙はちょっと。。。残念