昭和初期の林芙美子、吉屋信子、永井荷風による女中小説があの『FUTON』の気鋭作家によって現代に甦る。

失業男とカフェメイドの悪だくみ、
麹町の洋館で独逸帰りのお嬢様につかえる女中、
麻布の変人文士先生をお世話しながら舞踏練習所に通った踊り子……。

レトロでリアルな時代風俗を背景に、うらぶれた老婆が女中奉公のウラオモテを懐かしく物語る連作小説集


「小さいおうち」のタキちゃんが健気で純粋な女中さんだったのに対して
こちらのすみさんはしたたかで妖しい女性。
逞しい生きざまなんだけど、ちょっと物悲しい。。。

元ネタの短編をどれも知らないので薄っぺらい感想になってしまいますが

秋葉原のメイドカフェに入り浸り
女中繋がりの話だと誰にともなく語り続けるすみばあさん。

メイドの女の子と仲良くなって昔話を語る時は穏やかな懐かしい気持ちだったのかな。

たいへんな時代を生き抜いたのに、人生の最期に秋葉原の大事件に遭遇してしまうなんて、
なんだかもやもやする終わり方でした

「小さいおうち」 「ゴースト」 のどちらもおもしろかったのでちょっと期待しすぎちゃいました