この主人公は、私自身だ――。

1972年、吉祥寺、ジャズ喫茶、学生運動、恋愛。

「抱かれる女から抱く女へ」と叫ばれ、あさま山荘事件が起き、不穏な風が吹く七〇年代。

二十歳の女子大生・直子は、社会に傷つき反発しながらも、ウーマンリブや学生運動には違和感を覚えていた。

必死に自分の居場所を求める彼女は、やがて初めての恋愛に狂おしくのめり込んでいく――。

揺れ動く時代に切実に生きる女性の姿を描く、永遠の青春小説



なじみのある場所のなじみのない時代の物語。
主人公・直子が居場所がないと思える毎日のせいか
読んでいるこちらも居心地が悪い。でも、彼女にはまったく共感できない。


着飾ることは男に媚びていると言われ、それは甚だ不名誉なことらしい。
プライドは高いけど、自堕落。遊んでばかりいるけど、何をしても楽しくなさそう。
関係を持つ男たちもイヤなやつばかり。


こんな欝々とした時代に生きて若さ無駄にしたくない
うーーーん、でもそれが若さってものなのかしら。。。

いつの時代だって目標をもって直向きに楽しく、かつ強かに生きてる女の子はいるし、
不器用で痛々しい直子みたいな子もいるんだろうね。

わたしにとっては、苦さが勝ってノスタルジックにはぜんぜん浸れない青春小説でした


物語の中で直子が連合赤軍の総括と女の嫉妬について思いめぐらすシーンがある。
いっそうのこと、この凄惨な事件を女の物語として桐野が書いたらおもしろいのにな。