本棚の宝物

読書感想が中心です。あとは、日々のちょっとしたことと 手作りした作品などなど。

「カウントダウン」 真梨幸子



余命、半年――。海老名亜希子は「お掃除コンシェルジュ」として活躍する人気エッセイスト、五十歳・独身。

歩道橋から落ちて救急車で運ばれ、その時の検査がきっかけで癌が見つかった。余命は半年。

潔く〝死〟を受け入れた亜希子は、“有終の美"を飾るべく、梅屋百貨店の外商・薬王寺涼子とともに〝終活〟に勤しむ。

元夫から譲られた三鷹のマンションの処分。元夫と結婚した妹との決着。そして、過去から突きつけられる数々の課題。

亜希子は“無事に臨終"を迎えることができるのか!?


いつもの作品に比べるとシンプルな展開?と思いきや
最後はこれでもかと・・・

伏線がパズルのようにピタリとはまるというより
ねじ込んでくるのがこの方の持ち味だからね

ライバル視して意識している相手も実は同じで
姑息な手段や粘着質なストーキングまがいもお互い様 だった・・・のは、
怖いというよ何だか微笑ましい。
(事件性があるから笑っちゃいけないのか)

まったく眼中に無い、記憶に残っていない方が切ないもの。

ひとり寂しく死んでいくのが辛い。。。
でもそれは、ある意味贅沢だと思う。
いいじゃん!心配でたまらないものを残していくよりずっといいのに


「僕が殺した人と僕を殺した人」 東山彰良



1984年​、台湾​。13歳だった。 夏休みが終わる​ほんの​2日前、ぼくたちの人生はここから大きく狂いはじめたんだ。

2015年冬、アメリカで連続殺人鬼「サックマン」が逮捕された。デトロイトの荒んだ街並みを見つめながら、「わたし」は、台湾で過ごした少年時代を想い出していく。

三十年前、わたしはサックマンを知っていた――。

1984年夏、​台北​で、兄をなくしたばかりのユン、牛肉麺屋のアガンと弟のダーダー、喧嘩っ早くて正義感の強いジェイは友情を育んでいた。

四人の少年たちは、ある計画を実行することに決めた……。

サックマンとは誰なのか? その謎をめぐる青春ミステリー。


↑ の Amazonの内容紹介は誤りがありますね。
ある計画を実行することに決めたのは「三人の少年たち」で、
四人ではありません。

ミステリー要素を含んではいるけど、わたしには青春物語として刺さりました
台湾の人々の暮らしも知らないことが多かったので新鮮でした。

1980年代の台湾の様子も旅行する程度では気が付かなかったことばかり。
元から台湾に住む台湾人と大陸から来た「外省人」との間には言葉の違いだけでなく住む場所制限がありも心理的な距離もあったことなど。
その複雑な背景と世界共通の家庭問題と少年の暴力的な衝動と残酷さと友情。

ノスタルジックな印象に多くの読者と同様にわたしもスタンドバイミーを思い出した。
年の離れた兄を亡くして沈む両親の自分への無関心さに寂しさを感じ、物語を想像することに熱中するユンとスタンドバイミーのゴーディーの共通点も多かった。
(そのせいで大人になった語り手も同じだと思い込んでしまいました)

連続殺人犯とその弁護士まで立場を大きく分けなくても
ともに少年時代を過ごしても大人になったときの居場所は様々。

危なっかしい幼さと唐突な行動は後で笑い話になるようなこともあれば
取り返しのつかない事故や事件を引き起こしてしまうこともある。

何かがどこかで違っていれば、ユンとジエイもまた違うところにいたのかもしれない。
逆の立場になっていたかもしれないし、
それこそスタンドバイミーのように弁護士と作家だったかもしれない。

なぜアメリカで7人もの少年が犠牲にならねばならなかったのか
明確な理由なんて誰にもわからない。
それでも憎まれるべきシリアルキラーと少しでも心を通わそうとする幼馴染。
思い出が鮮やかなだけに切ない

話題になった「流」を読んでいないので、この著者の作品は初めて読みました。
不思議な印象的でおもしろい作品でした。
台湾が舞台の作品が多いのかな?ほかの作品も読んでみたいです。


13歳のユンが夢中になっている大友克洋の「AKIRA」
この作品のストーリーとは直接関係はないけど・・・
そういえばこの未来の東京でも2020年に東京オリンピックがある設定だったね。
1982年に連載が始まってるからすごい偶然?
気になる・・・また「AKIRA」も1巻から読みたくなった!

「祝言島」真梨幸子



2006年12月1日、東京で3人の人物が殺され、未解決となっている「12月1日連続殺人事件」。

大学生のメイは、この事件を追うテレビ番組の制作会社でアルバイトをすることになる。

無関係にみえる3人の被害者の共通点が“祝言島”だった。

東京オリンピック前夜の1964年、小笠原諸島にある「祝言島」の火山が噴火し、生き残った島民は青山のアパートに避難した。

しかし後年、祝言島は“なかったこと”にされ、ネット上でも都市伝説に。

一方で、祝言島を撮ったドキュメンタリー映画が存在し、ノーカット版には恐ろしい映像が含まれていた


すごくおもしろそうな導入でわくわくしたんだけど、
語り手が次々と変わるだけじゃなく時代が何度も前後したり
過去の再現ドラマという形で展開したり・・・
構成が凝りすぎててわかりにくい

そして、何人もいた登場人物が実はもっと少なかったという・・・
(ネタバレ)
なんかずるい結末な感じ。途中でだんだんわかるけど
だってそうでもしないと辻褄合わないし

そこにもっとびっくり!の裏の裏・・・があるわけでもなく
終わってしまえば、あれ?結局はそれだけ??って感じでした
ちょっと期待しすぎましたね




この本読んでるときに偶然、デカプリオの「シャッターアイランド」を見た。
こちらもアイスピックロボトミーが
誰が正気なのか何が真実なのか。。。

でも、全部夢の話でした!ってオチは禁じ手だって言うけど、
精神を病んだ人の妄想でしたっていうのは・・・どうなんでしょうか?

「an・anの嘘 」 酒井順子



日本の女性誌の歴史のすべてが、ここにある! ?

創刊から2000号までの45年。

アンアンが教えてくれた、
女の生き方、そのホンネや裏側に迫ります!


80年代、わたしは熱心なアンアン読者だった。オリーブもよく読んでたけどね

最近、引っ越しの時に作品のデザインのためなどにファッションページをスクラップしたファイルがでてきた。
ほとんどがアンアンのページだったけど、かなり古いのでびっくり。
よく見ると、今と好きなものがあまり変わっていないのにもまたびっくり

わたしの美的感覚は著しくアンアンの影響を受けているみたい。
そして、その世界観の下、酒井氏が言うところの「非モテ国」の住人になっていったらしい(笑)

卒業して丸の内に勤務しだすと周りはみんな「モテ国」のJJ読者ばかりだった。
チクチクと非難する、先輩に見せられたJJには欲しい服はぜんぜん無かった

でも、この本で歴史を振り返ればまだJJなんて創刊されてもいない頃に
日本で初めてニュートラを紹介したのがアンアンだったとはびっくり(@@)

JJを聖典のように読んでた先輩方もこれはもちろん知らなかったにちがいない

「男ウケより自分ウケ」

なるほどなと思うけど、あちらも異性ウケを気にして無理してたわけじゃないしね。
ニュートラ以外好きじゃないってだけだったと思うの。
これは好みの問題だからどうしようもない感じ。

思い浮かぶのはなぜかことごとく分かり合えなかった某先輩。
今思えば聖典が違ってたからなのか

でも、あちらの「モテ」がまったく気にならなかったのは、
好きになる男性も違っていて棲み分けできてたからのような気もするけど・・・
酒井氏はアンアンの過激な提案によって読者は「モテ」からひいては結婚から縁遠くなったのではと推測している。

まぁ確かに刈り上げましたが (笑)
でも、あの当時はショートカットが好きな男子もいっぱいいたけどなぁ。。。
カタカナ職業には本当に憧れつつも、才能ないのは自分でわかってたから手堅く資格を取って地味に働く道を選択した。
おしゃれな遊び場で職業きかれるの嫌いだったけど

本当に一人暮らしでお金もないのに転職してハウスマヌカンになった人がどれくらいいるのかしら?

とにかく懐かしくておもしろくて楽しく読めました

時代背景を考察しながら創刊から変遷を見ていくのがいいですね。
アンアンが創刊されたのが1970年、 桐野夏生の「抱く女」の頃だなんて歴史の重みを感じます。
ウーマンリブから始まってスピリチュアルブームまで。
アンアンも戦後の独身女性の生き方と幸福の尺度の移り変わりとともに変化してきたのね





「裏切りのホワイトカード 池袋ウエストゲートパークⅩⅢ」石田衣良



現代の闇を描出するIWGPシリーズ第13作!

池袋に、割の良いバイトの噂が流れる。日曜日の半日を使うだけで、万単位の報酬が手に入るという。
情報源は、裏の仕事を紹介する「ブラックボード」という掲示板。
キング・タカシからの依頼でその噂が本当かどうか調べているマコトのもとに、その裏掲示板の主宰が、巨大製薬会社の御曹司だという情報が舞い込む。


新刊が出たら読む。もう条件反射

今回のラインナップ

「滝野川炎上ドライバー」
離婚後、小学生の子供との面会だけが楽しみな人のいい宅配ドライバー対新しい父親候補の知的な司法書士。
その子供に虐待の疑いが・・・犯人はわかりきっているのに自分の暴力を他人になすりつけ、ネットの力で攻撃させる。
卑怯なだけの輩にまんまと利用される第三者 「正義の炎上放火魔」

うーーん、どう?ネット庶民はやはりこんなに単純で愚かなものなのでしょうか?  

「上池袋ドラッグマザー」
最近急に綺麗になったシングルマザーの裏に男とドラッグ。。。
これも単純な構図。
「滝野川」もそうだけど、子供の幸せより女としてのまやかしの幸福を優先させる母親が切ない

「東池袋スピリチュアル」
ゼロワンと霊能者ワカバの取り合わせがおもしろい。
「まだ見ぬ誰かが必死に助けを求めている。夜明けの空のしたで」
村上春樹的な文学的な夢を見るゼロワン。やれやれ(笑)
マコトが待ち合わせに「娼年」を読んでいるという自己宣伝あり。

「裏切りのホワイトカード」
そして、表題。しかけとしては4編の中で一番大がかりだし、要素も盛りだくさん。
なんだけど・・・
世界の不平等を嫌って御曹司が始めたのが、裏仕事の求人に使われてしまう掲示板とは。。。
もっとその優れた頭脳を使う道はなかったのかしら?
そのへんがしっこりこなくて、ちょっと入り込めなかった

全部読み終えて一番おもしろかったのは、「東池袋」
スピリチュアルにはまったく興味ないんだけどね
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