本棚の宝物

読書感想が中心です。あとは、日々のちょっとしたことと 手作りした作品などなど。

「失われた地図」 恩田陸



錦糸町、川崎、上野、大阪、呉、六本木・・・・・・。

日本各地の旧軍都に発生すると言われる「裂け目」。

かつてそこに生きた人々の記憶が形を成し、現代に蘇る。

鮎観の一族は代々、この「裂け目」を封じ、記憶の化身たちと戦う“力”を持っていた。

彼女と同じ一族の遼平もまた、同じ力を有した存在だった。

愛し合い結婚した二人だが、息子、俊平を産んだことから運命の歯車は狂いはじめ・・・・・・。

――新時代の到来は、闇か、光か。


軽めのダークファンタジー。
時空の裂け目が発生すると、そこから溢れてくるのは、
旧日本軍の軍服を着た 「グンカ」小柄で無表情な彼らは南部銃であろう 「ナンブ」で攻撃してくる。
放置すれば原因不明の大事故へと繋がってしまう 「裂け目」

グンカを黄泉へ押し戻そうとする蝶の群れが舞い、戦いながら裂け目を縫い合わせなければならない。
かなり派手なビジュアル戦

さらっと読めて楽しめる、アニメ要素が大きい恩田作品。

都内のある程度まとまった土地は昔大名屋敷だった。そしてその後は軍の関係施設になっているらしい。
再開発されて現代の人々の記憶は薄れても記憶の化身は残る。
そこに裂け目ができるわけだけど、その裂け目がだんだん大きくなっている・・・
それは民衆が無意識に望み、時代がキナ臭くなっているからなのか?

軽快なストーリーながら、続編があれば政府幹部との闘争にもなりそうな予感です。





常々、霊視というものができる方々は大阪城周辺のうような激しい戦乱のあった場所はどんな風に見えるんだろうと疑問に思っていました
夥しい霊が見えたりするのでしょうか。。。

「なかなか暮れない夏の夕暮れ」 江國香織



本ばかり読んでいる稔、姉の雀、元恋人の渚、娘の波十、友だちの大竹と淳子…。
切実で愛しい小さな冒険の日々と頁をめくる官能を描き切る、待望の長篇小説


主人公の稔は50歳。裕福で資産の運用も人任せ。日々読書をして暮らす独身。
高校時代からの友人、税理士の大竹も50歳。若い妻を熱愛している。
やはり高校時代同級生の淳子は、効率的な仕事ぶり充実した私生活・・・のバツ一の子持ち。

かなりいい年の彼らはふわふわと恋愛し、人生に悩み、愛しいものに執着する。
不惑も諦観もない。
青春時代よりも老後の方が近くなっても、人間はそんなに変われないのかも。

もっとしっかりしろ、いい年してちゃらちゃらすんなと言われればもっともですが、
年齢を重ねれば自然に枯れていくものと思っていたけど、そんな簡単にいかない。

夕暮れなのには間違いないけど、完全にはなかなか暮れない。。。

なぜか独身同士なのに子供ができても結婚しなかった稔と渚。
認知した娘の波十もすっごく可愛がっている。
渚が結婚して波十に新しい父親ができたことで除け者にされた感じがしている稔。

この渚の結婚生活がこの小説の中で唯一真っ当な関係、正しい社会生活とも言えるのになぜかしっくりこない。

「絆というのは日々の小さな不快さの積み重ねのことだ」

望んでいた「ほんとうの夫婦」はグロデスクなものらしい。

夕暮れは夕暮れでいいものだよね。もう1回カンカン照りの日差しの中に立ちたいとは思わないもの



「 三鬼 三島屋変調百物語四之続」 宮部みゆき



江戸の洒落者たちに人気の袋物屋、神田の三島屋は“お嬢さん"のおちかが一度に一人の語り手を招き入れての変わり百物語も評判だ。

訪れる客は、村でただ一人お化けを見たという百姓の娘に、
夏場はそっくり休業する絶品の弁当屋、
山陰の小藩の元江戸家老、
心の時を十四歳で止めた老婆。

亡者、憑き神、家の守り神、とあの世やあやかしの者を通して、せつない話、こわい話、悲しい話を語りだす。

「もう、胸を塞ぐものはない」それぞれの客の身の処し方に感じ入る、聞き手のおちかの身にもやがて心ゆれる出来事が……


この世とあの世をつなぐ「迷いの旅籠」 
美しい絵に明りが灯り、行灯のように離れ屋が輝くとき亡者が迷い込んでくる。。。
亡き人に会いたい気持ちが見せる亡者だから怖ろしいことはない。

「食客ひだる神」も商売を盛り立ててくれる憑き神だから、この話も微笑ましい。
江戸の食文化が華やかで美味しそうなものがたくさん 

やはり貧しい山村が舞台の「三鬼」が息が詰まる。
そもそもこの話の語り手、清左衛門が山村に山番士として送られる原因となった事件もすごくおぞましい。
村井家の再興のために雪深い村で職務を全うするが厳しい現実に直面する。。。
この鬼の正体がやっぱり・・・とは思うけどこれ以上悲しい鬼もない

「おくらさま」 仄かな香と美しい娘の取り合わせが何とも妖しい。
娘の命より家の存続の方が大切なのか。
江戸で一番幸せなのは裕福な商人の子だと思ってたけど、
運命に翻弄される姉妹が痛々しい。

この話の最後に親しい人との別れがある。
このシリーズに何度も登場した手習い所の青野利一郎が先生から郷里の藩に戻ることに。
でも、新たに登場した貸本屋の勘一が次回作で大きな役割を担いそう




L'Arc〜en〜Ciel 25th L'Anniversary から1週間

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あっという間に1週間がたちました。。。

直前までなぜか実感がわかず・・・
あんなにチケット取るのに苦労したのにね
今回近場の東京ドームということもあり、何の準備もいらなかったし。

でも始まれば楽しいとか嬉しいとか何だかわからない浮遊感で夢心地 の2日間   
日曜日の夜まで幸せ気分だったのに、月曜の朝は一気に喪失感
月曜、火曜とがんばって仕事こなしたけど、
水曜の休診日には紀尾井町で桜見た後具合が悪くなりました
その間ずっとthe Fourth Avenue Café とLies and Truth と瞳の住人 が繰り返し空耳のように流れ続け・・・

現実感が戻ってきた昨日、吉祥寺で打ち上げ
記憶の破片を集めてまた幸せな気分を思い出し

ラルクのロスは他のものでは埋められないの

職場ではそんなに夢中になれるものがあっていいよねとか言われるけど、
こんな数年に一度たまにしかないライヴに行くだけなので、

これを夢中と言っていいものか?

わたしが初めてラルクのライヴに行ったのは2003年の「Shibuya Seven days」
あの頃は今よりライヴに行く時間を作るのが本当にたいへんで。
でも、その頃仲良くなって一緒にライヴに行った友達とは今もお付き合いが続いていて
今回遠くに住んでる友達とも久しぶりに会えました

交友関係もそんなに広くない、気になる映画さえ見逃してしまう行動力のないわたしにとっては
珍しく外に開いている扉なのかも

もっと熱い人いっぱい見てるからこんなの夢中って言えないんじゃ?とも思うけど、
夢の中にいられるのが夢中ってことなのかな?

次の約束は何もなかったけど、体力の続くかぎり次のライヴを待ちたいです。
他のライヴには行く元気も興味もないので、すべてはラルクとともにあります

いつまで跳べるのでしょうか。でも、また跳びたい
ぜったい跳、跳、跳、ちょう、ちょう、ちょう!ってハイド言ってたと思った・・・おかしいなぁー

kenちゃん1年半ですかー?

   



「慈雨」 柚木裕子



警察官を定年退職した神場智則は、妻の香代子とお遍路の旅に出た。

42年の警察官人生を振り返る旅の途中で、神場は幼女殺害事件の発生を知り、動揺する。

16年前、自らも捜査に加わり、犯人逮捕に至った事件と酷似していたのだ。神場の心に深い傷と悔恨を残した、あの事件に――。

かつての部下を通して捜査に関わり始めた神場は、消せない過去と向き合い始める。

組織への忠誠、正義への信念……様々な思いの狭間で葛藤する元警察官が真実を追う、日本推理作家協会賞受賞作家渾身の長編ミステリー!



初めて読む作家さんの作品。

主人公はもう定年退職している元刑事。しかも事件を知ったのはお遍路の旅の途中。
事件を直接捜査できない、ミステリーとしては変形の安楽椅子探偵・・・という感じ。

冤罪の疑いを持ちながら上層部に逆らえなかった過去に苦しみ、
犠牲者になった幼い少女を悼み、
四国の霊場を巡礼しながら人生のいろんな場面を振り返る。

お遍路については知らないことが多かったので旅行記っぽい興味を持って読めた。

警察組織の葛藤はありがちだけど、主人公の悔恨があまりにも深いのでとても重い。
ちょっと重すぎて・・・全編内省的で暗い

それに比べると安楽椅子探偵としてのミステリーの謎解きの要素は軽め
そんなのもっと早く気が付きそう。。。。

家族の物語としては、定年後にこんなに心から寄り添う夫婦はあまりにも理想的すぎるけど
重たい感じが慰められて優しい。

あっさりしたミステリーながら物語は重厚な作品でした。





この本を読んでいる途中に実際に幼い少女が犠牲になる痛ましい事件がありました。

ご冥福をお祈りします。
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