本棚の宝物

読書感想が中心です。あとは、日々のちょっとしたことと 手作りした作品などなど。

「黄色いマンション 黒い猫」小泉今日子





本書は、彼女が十代の頃から親しみ、かつては住んでいたこともある原宿の町を再び歩き、
変わり続ける街並に彼女の半世の思い出を重ねながら、
9年間にわたって書き綴った自伝的エッセイ集です。



幼い日々の記憶、中学時代の友人、デビューのきっかけ、アイドル時代に住んだ原宿、秘密の恋、そして、父と姉の死……。


彼女にとって、今だから書けること、今しか書けないことが本書には詰め込まれています。




講談社エッセイ賞受賞作品

懐かしい時代のエピソードがいっぱいで、
忘れてた事をたくさん思い出しました😃



あぁ、そんなお店行あったなぁーとか。

大好きだったのに無くなっちゃうと忘れているものね。



おしゃれな人達との仕事が多かったのに

当時から東京近郊のヤンキーちっくな中学生だったのを隠してなかった彼女。



昔の写真集でも語っていたのと同じエピソードもあり、正直な人だなと再確認😄



国民的アイドルと比べるなんておこがまし過ぎるけど…


わたしも原宿から歩いて帰れるとこに住みたくてこだわって
過ごした数年が懐かしくなりました😊


あの頃の若き日の自分には、「いい気になってるなよ!」と言いたい気持ちだったけど…
この本を読んでいたら、「今を十分楽しんで!」言ってあげたいような😅

わたしも彼女のように 昔の自分にも優しい気持ちになれました。

 どうしたって大変な現実は避けられないんだからね😌


「中野京子と読み解く 運命の絵」 中野京子



テーマは“運命の絵”。

命がけの恋に落ちた若者たち、歴史に名を残す英雄たちの葛藤、栄華を極めた者たちのその後、岐路に立つ人々……、

運命の瞬間を描いた名画や、画家の人生を変えた一枚を読み解いていきます。

描かれた人物たちのドラマや画家の境遇を知ることで、絵画への理解がぐんと深まり、興味も広がります。


いつも通り安定のおもしろさ

今回印象に強く残った絵は、ジョン・ウィリアム・ウォーターハウスの「ヒュラスとニンフ」
美少年ヒュラスが森の中の睡蓮の咲く池にニンフに引きずり込まれる直前の絵。
たくさんの美しいニンフが無垢な表情を浮かべ池の中からヒュラスに手を伸ばしている・・・

幻想的で綺麗な情景だけにその後の展開を想像すると怖い

パイレーツ・オブ・カリビアン 生命の泉 の人魚のシーンが思い出されます

この美少年ヒュラスは英雄ヘラクレスの恋人でもあったらしい
森の中に水を汲みに行って消えたヒュラスを探してヘラクレスもアルゴ船に乗り遅れてしまい
あの有名なイアソンの金羊毛を奪う冒険の旅には途中から脱落したとの事。

ヘラクレスのこのエピソード知らなかった・・・
もしかしたら忘れちゃったのかも?

この絵と絡めてもう忘れない気がする。。。絵にはヘラクレスはまったく描かれてないけどね


エピソードが印象的だったのは、エドヴァルド・ムンクの「叫び」
彼が不安神経症を克服して80歳まで長生きしたとは知らなかった (@@)
病気が治った40代後半以降はもう以前の様な傑作は描けなかったそう。
なんか人生だね


この本のラストに登場するルノワールの「シャルパンティエ夫人と子どもたち」
絵画コレクターでもあり印象派の画家を支援していたシャルパンティエ家。
社交界の花形だった若く洗練された妻とかわいらしい子どもたち。

まさに裕福で幸せそうな家庭を無名だったルノアールが描いた頃が一家の最盛期で
その後シャルパンティエ夫人の夫の出版社は業績がどんどん悪化していく。
少女の装いで描かれている可愛い幼児の長男もその後20代で他界。
一家の斜陽を救うことはなかった。

あのルノワールにこんなに愛らしく描いてもらった娘は
両親の死後コレクションを競売にかける。

あまりにも輝いていた子供時代。。。
有名なこの絵を見れば誰もが幸福な子供だった自分を感じる。
本人はどんな気持ちで鑑賞したのかしら?

なんだか運命をしみじみ感じてしまう絵でしたね



「あのこは貴族」 山内マリコ



東京生まれの華子は、箱入り娘として何不自由なく育てられたが、20代後半で恋人に振られ、初めて人生の岐路に立たされてしまう。

名門女子校の同級生が次々に結婚するなか、焦ってお見合いを重ねた末に、ハンサムな弁護士「青木幸一郎」と出会う。

一方、東京で働く美紀は地方生まれの上京組。猛勉強の末に慶應大学に入るも金欠で中退し、一時は夜の世界も経験した。

32歳で恋人ナシ、腐れ縁の「幸一郎」とのダラダラした関係に悩み中。

境遇が全く違って出会うはずのなかったふたりの女。

同じ男をきっかけに彼女たちが巡り合うとき、それぞれ思いもよらない世界が拓けて――。

結婚をめぐる女たちの葛藤と解放を描く、渾身の長編小説


おもしろかった

お嬢様たちの閉鎖的な世界は、国公立育ちのわたしには想像外だけど、
いくらなんでもせっかく紹介された男性が関西弁喋ったからって
華子お嬢様、タクシーで逃げ帰るのは極端では?(笑)

ま、この男性、関西弁ってだけじゃなくデリカシー足りなさそうだけど。

このお嬢様の「外の世界」でいきている人間にとってはかけはなれすぎて楽しめました

もう一人の地方出身でガッツのある美紀もまたわたしの周りにはいないタイプ。

がんばってるのになかなか思い通りにいかないのはどんな環境にあっても同じなのね。

ふたりの女性を繋ぐ家柄とルックスのいい弁護士がどうにもよくわからない。
自分勝手でもそれにまったく気が付いていない。
特別扱いも当たり前すぎるとそれに気が付きもしないものなのね。

こんな人が政治家を目指していくもんなんだろうか。
この人はもっとひどい目に合えばいいのにと思っちゃいました

機会あったら他の作品も読んでみたいです


「我らがパラダイス」 林真理子



東京・広尾の高級介護付きマンション「セブンスター・タウン」の受付係・細川邦子(48歳)、看護師の田代朝子(54歳)、ダイニングで働く丹羽さつき(52歳)…

突然終わりを告げる、平穏な日々。「貧者の逆転劇」の結末は―

それぞれの家庭内で深刻な介護問題を抱える3人は、困窮していく我が身と、裕福な施設の入居者たちとの想像を絶する“格差”を前に、一世一代の勝負に出る!


前半は「いつかは・・・」という程度に覚悟はしていた親の介護の当事者になり
想定外の事柄も重なり追いつめられていく状況がリアル

この主人公たちはみんな親が好きで、感謝している。
老いて日常生活が誰かの助けなしでは送れなくなっていても
バリバリ働き、自分を大切に育ててくれた感謝も忘れていない。
だからこそ介護の大変さに苦しみ、親が疎まれる状況に悔しい思いをする。
助けてくれるはずだった家族もあてにならない。。。

「介護は優しい人間が負けるのだ」

親を思いやる気持ち、常識や気配りがある方が負ける。
きょうだいで争うのがイヤだと考えたほうが損をする。

何とも切なくて悲しい現実

それが後半になってその鬱憤を晴らすかのようにはちゃめちゃになってくる

格差に立ち向かう方法が ・・・これ犯罪だろ!と言われればその通り。
「下流の宴」では他人に迷惑をかけず、自分の地道な努力だけで運命を切り開いたけど、
ここでは、正当な権利を持つ裕福な入居者が蔑ろにされちゃうのがひっかかる。

それでも、主人公たちを責めて恫喝するジェネラル・マネージャーには腹が立つ。
こちらが正論だとは思うけど

介護施設の立てこもりに元学生運動の活動家の老人が活躍するのは
荻原浩の「ひまわり事件」を思い出す。
あちらはもっと庶民的な施設だったけどね。

戦うことで若さと生きがいを再発見するお年寄りが微笑ましい

いいじゃないこんなハッピーエンドがあってもと思いました

「四人組がいた。」 高村薫



元村長、元助役、郵便局長、そしてキクエ小母さん。

儲け話と、食い物に目のない老人四人組は、集会所に集まっては、日がな一日茶飲み話を。

だがそこへ、事情を知ってか知らぬか、珍客がやって来て―。

タヌキのアイドルに、はたまたキャベツの大行進。最後には、閻魔様まで!!

現代を、冷静かつ緻密に描写しつづけてきた著者が、今の日本を、地方からユーモアを交えて軽妙かつシニカルに描き出す。奇想天外、ブラックユーモアに満ちた十二編


久しぶりに読んだ高村作品。
田舎馬鹿にするなよ、年寄侮るなよってだけの意図じゃないと思うけど、
行動的ですぐ戦闘態勢の整う後期高齢者4人組のお話。

住民は死なず、小動物や植物までもが意思を持つ不思議な村に 気持ちが馴染めないまま何とか読み終えました

とにかく摩訶不思議な短編集。

晴子情歌、新リア王と挫折続きだった高村作品を最後まで読んでみたら何か発見あるかと思ったけど・・・
一番感じたのは、読破?した自己満足だけだったかも
あまり笑えなかったユーモア。シニカルなのは確かだけどね

リビエラを撃て、マークスの山、レディ・ジョーカー・・・
高村作品を貪るように読んだのは、このブログ書き始めるまえだから、
2004年以前かぁ。。。

大好きだった作家さんだけど、手の届かないところに行ってしまわれたようです
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