本棚の宝物

読書感想が中心です。あとは、日々のちょっとしたことと 手作りした作品などなど。

「小泉放談」 小泉今日子



2016年2月に50歳の節目を迎えた小泉今日子が、人生の先輩たちとともに、これからのオンナの生き方を考える対談集。
豪華ゲスト陣は、樹木希林、美輪明宏、YOU、上野千鶴子、江國香織、いくえみ綾、吉本ばなな、槇村さとる、小池百合子etc.
小泉今日子本人による本書描きおろしのエッセイも収録


最近、お騒がせ報道もあった著者の対談集。

仕事の仕方はもちろん、女としての変化や健康にも敏感になる人生の時期。

「いつまでハイヒールはけるんだろうか? 増田玲子」
「更年期以降性欲がなくなるとわかる。・・・恋愛は性欲だったんだと。
 それでも恋愛に走る人は脳で恋愛している 湯山玲子」

当たり前だけど、30代、40代で積み重ねてきたもので50歳を迎える気持ちは様々。
若くして成功と実績を手に入れても、まだ何もやり遂げていなくとも同じく年は取る。

でも、年相応のイメージは時代によって変化しているはずよね。

「100歳以上の人が集まったら東京ドームがいっぱいになる 小池百合子」

寿命は人それぞれだけど、新しいことを始めるのに遅いことはないのかもね
無理して何かを始める必要も無いと思うけど、「やりたいことがある」その気持ちは大事なエネルギー

「マスカレード・ナイト」 東野圭吾



若い女性が殺害された不可解な事件。

警視庁に届いた一通の密告状。

犯人は、コルテシア東京のカウントダウンパーティに姿を現す!?

あのホテルウーマンと刑事のコンビ、再び。


一人暮らしの女性の死因は感電死。
普段はシンプルでシックなファッションを好んでいたのに
なぜかクロゼットにはロリータ服。。。

匿名通報ダイヤルにより発覚した殺人事件の背景は謎のまま
犯人逮捕のために密告状で予告されたホテルに潜入捜査が始まる。

ホテルマンに扮するのは流暢な英語を話す新田刑事。
前回コンビを組んだ優秀なホテルウーマン・山岸さんはフロントからコンシェルジュになっています。

マスカレード・ホテル」と同様、ホテルを利用する人のエピソードと裏事情がおもしろい
コンシェルジュデスクに持ち込まれる無理難題とそれに誠実に応える山岸さん・・・すばらしすぎです

本当にホテルマンがお客様の顔や事情をそんなに覚えているのなら・・・
利用する方もちょっと緊張しちゃいますね


でも、肝心の事件の方はカウントダウンパーティーが始まるまではほとんど膠着状態。
無駄に潜入捜査がされてる感じもしますが

それが、パーティー開始と同時にもうバタバタと目まぐるしい展開!

ここにテンションをもってくるために隠されていた事情が多すぎ
それが最後の犯人と関係者の独白まで明らかにならないところがなんか・・・
ミステリーとしてはご都合主義?

このシリーズは好きですけどね

マスカレード・ホテルが映画化されるようですが、こちらのマスカレード・ナイトは難しいかも。
犯人の役をできる人がいるとは思えません





「この世の春」 宮部みゆき



それは亡者たちの声? それとも心の扉が軋む音? 

正体不明の悪意が怪しい囁きと化して、かけがえのない人々を蝕み始めていた。
目鼻を持たぬ仮面に怯え続ける青年は、恐怖の果てにひとりの少年をつくった。
悪が幾重にも憑依した一族の救世主に、この少年はなりうるのか――。


江戸時代が舞台のサイコサスペンス。

容姿端麗な若殿様の乱心の謎と主君押込騒動。
失脚した成り上がりの御用人頭の過去。
秘密裏に一夜のうちに葬られた村。
風光明治な殿様の別邸・五香苑に造られた座敷牢。
呪の術を使う謎の女と陰惨な事件。。。

とにかく盛沢山な要素とキャラが際立つ登場人物の多いこと(@@)

科学捜査や心理分析に頼れない時代の地道な捜査と謎解きがおもしろい!
上下巻の分量でも中だるみなく楽しめました

それにしても・・・

文章だけで充分人物像が想像できるのに、
見開きにある少女漫画タッチの「人物相関図」はいらないと思います。
この装丁の北見重興と各務多紀の絵がぜんぜんわたしのイメージと違うのでしっくりきません

陰惨さを表に出さないための装丁なのかなぁ。。。
なんだか内容が薄く見えてしまうようで残念な感じです

「宮辻薬東宮」 宮部みゆき・辻村深月・薬丸岳・東山彰良・宮内悠介



全編書き下ろし。超人気作家たちが2年の歳月をかけて“つないだ”前代未聞のリレーミステリーアンソロジー

モチーフをバトンタッチしていく、ホラーがテーマのアンソロジー。

やはり冒頭の宮部みゆきの家が災いを招く「人・で・なし」はおもしろかったし、怖さはだんとつ
ホラーは緩急だと思うので、安心したところにくるよくるよ~と覚悟していても予想を覆すダメ押しの怖さ

同じホラー写真がモチーフでも不思議な印象の 「ママ・はは」辻村作品も良かったし、
その後の薬丸岳の「わたし・わたし」も事件物っぽいこの人らしいホラー

続く東山作品「スマホが・ほ・し・い」も台北が舞台で、この前読んだ「僕が殺した人と僕を殺した人」に登場したエピソードもあって楽しめた。

だけど、最後の「夢・を・殺す」は正直読みにくかった
プログラミング作業の説明にあまり興味をもてなかったのと、
お仕事ものの短編ならともかく、IT零細企業系ホラー・・・怖くないし
あとは野となれ大和撫子」はおもしろかったのになぁ。
宮内雄介作品はあまりホラー向きではないのかもね

「わたしを離さないで」 カズオイシグロ



自他共に認める優秀な介護人キャシー・Hは、提供者と呼ばれる人々を世話している。

キャシーが生まれ育った施設ヘールシャムの仲間も提供者だ。

共に青春 の日々を送り、かたい絆で結ばれた親友のルースとトミーも彼女が介護した。

キャシーは病室のベッドに座り、あるいは病院へ車を走らせながら、施設での奇 妙な日々に思いをめぐらす。

図画工作に極端に力をいれた授業、毎週の健康診断、保護官と呼ばれる教師たちの不思議な態度、そして、キャシーと愛する人々 がたどった数奇で皮肉な運命に……。

彼女の回想はヘールシャムの驚くべき真実を明かしていく


先にドラマを見てしまったので「臓器移植のためのクローン」制度が確立した世界の物語・・・はわかっていた。
そんなショッキングな設定にも関わらず、 抑えた調子の主人公の語りで進んでいく。

学校時代の思い出や友達とのエピソードはどこにでもありそうな気がする。
特殊な環境下であっても・・・・

原作はドラマよりずっと静謐で体制に反抗するような活動もなければ
学校を創設した先生もクローンだった・・・なんてドラマチックな展開もなし。

残酷すぎる運命を受け入れ、誰かの命のために提供し、使命を終えていく。。。


自分たちとは違うかけ離れた・・・劣った存在だと思って納得しなければ成り立たないシステム。
自分たちと同じ人間にはそんな酷いことはできないはず。


わたしが一番印象に残ったのは、最後の年老いたエミリ先生の告白。

「ヘールシャルムにいる頃もあなた方への恐怖心を抑えるのに必死でした。嫌悪感で体中が震えたことだってあります・・・」

提供者として生まれた子供たちのために私財をなげうって働いた先生の言葉が悲しすぎる。



どこかに救いがあればいいのだけれど
わたしにはみつかりませんでした




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